主に角質層の水分量を一定に保つ保水機能は、皮脂膜、細胞間脂質、NMFの3つの働きによるものです。
NMFはNatural Moisturizing Factorの頭文字をとったもので保湿因子と呼ばれ、角質細胞内にある水溶性成分で、吸湿性が高く、しかも一度とらえた水分をなかなか離さないという性質があります。
組成はアミノ酸、アミノ酸代謝産物が約60%を占め、吸湿作用の大半はピロリドンカルボン酸と乳酸塩になります。
NMF自体は角質細胞の周りが脂質に囲まれていることから、水に溶けだすことはありませんが、角質細胞脂質が過度の脱脂によりバランスが崩れるとNMFも減少しやすくなります。
角質層からNMFが除かれると水分保持能力を失うため、角質層の保湿成分として化粧品に配合されます。
参考文献
美容皮膚科学事典